GLP-1作動薬(ビデュリオン)

2015-07-29

暑い日が続きますね。
皆様、熱中症対策はされていますでしょうか。

さて先日は糖尿病治療薬であるGLP-1作動薬(ビデュリオン)の
勉強会に行ってきました。
GLP-1作動薬とはDPP4阻害薬などに代表されるインクレチン関連薬と
位置づけされる薬剤であり、ビデュリオンは週1回の皮下注射する薬剤です。
皮下注射といいますと、インスリンを思われる方が大半だと思います。
しかしこの薬剤はインスリン注射ではないのです。欧米ではメトホルミンという
内服薬に次ぐ処方の多い製剤なのです。
作用としては血糖値が高いときのみインスリンの分泌を促し、血糖値を
低下させます。
ですから、インスリン分泌のないⅠ型糖尿病ではなく、インスリン分泌の
保たれたⅡ型糖尿病が適応なのです。GLP-1受容体作動薬には、
胃の中にある食べ物をゆっくり小腸へ送ることで、急激な血糖上昇を抑えて
満腹感を高めたり、脳に作用して食欲を低下させる作用もあります。
ですから、副作用に吐き気や嘔吐があるのですが、毎日注射する製剤に比し
週1回のビデュリオンは、消化器症状は少ないといわれています。

この薬剤の特徴は体重が落ちやすいというのが特徴のようです。
ある報告では、インスリンを使用していたⅡ型糖尿病患者に対し
6か月間のビデュリオン投与に切り替えたところ、約5.5kg体重が減少したとのことです。
なお、BMIが高いほど、すなわち、体重があるほど減少しやすいとのことのようです。

また、HbA1cの改善についても、優れたコントロール目標達成率
のようであり、平均HbA1c 8.9%の平均24Uのインスリン使用の
患者さんがビデュリオンに変更し、約7割が7.0%未満を達成できた
との報告もあります。優れた忍容性のため脱落率も低かったとのことです。

もともとインクレチン関連薬はアジア人には効果が出やすいと
いう報告があり、もっともっと日本でも使用されてよい薬剤かと思います。

当院でインスリン使用中の患者さんで、インスリンを離脱された方が
いらっしゃいますが、今後このような注射を経て離脱を図るのも選択肢に
なりえるかと思います。

製剤については下記のページにてご覧になれます。

http://dm-exenatide.jp/bydureon/

最後に当院では循環器疾患、高血圧、高脂血症など、
生活習慣病のコントロールについて注力していますので
何かありましたらいつでもお気軽にご連絡下さい。

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