EPA 鹿児島の事情

2014-10-23

最近は温暖な日が続きますね。

最近メタボ、いわゆるメタボリック症候群の話を聞くと思います。
鹿児島市も特定健診を行っています。メタボはなぜ問題になるのでしょうか?

今回は鹿児島とEPA摂取について考えてみました。
EPAとは「エイコサペンタエン酸」の略称です。
いわし・さば・あじなどの青魚に多く含まれるn-3系脂肪酸のひとつです。
EPAが脚光を浴びるようになったのは、1960年代にデンマークのダイアベルグ博士らが行った、
デンマーク自治領であるグリーンランドのイヌイットの人々
を対象に行った疫学調査がきっかけです。
この調査では、n-3系脂肪酸の摂取量が多いイヌイットには、
心疾患がほとんど認められませんでした。
このことからEPAなどのn-3系脂肪酸が動脈硬化を予防すると考えられています。

現在は動脈硬化症、高脂血症などの保健病名で
EPA製剤を投与することも可能となっています。

ところで鹿児島県は脳卒中が多い県なのをご存知でしょうか?
47都道府県で5位以内に入ったこともあります。
これはなぜなのか自分なりに考えてきましたが、実は
こんなデータがあります。

鹿児島は海に囲まれているため、結構魚介摂取が多いように思いがちですが
実は全国でも3番目に摂取が少ない県なのです。
2010年の総務省の家計調査から魚介類消費量ランキングでは
鹿児島県民の年間摂取量は37,550グラムで45位でさらに下には
熊本県、最下位は沖縄県でした。ちなみに1位の青森県の半分以下の摂取量のようです。
沖縄県が長寿県のランキングで大幅に落ち込んでしまってきているのは
一説にはこの食生活にあるのではとも言われています。

鹿児島県は畜産県なので豚・牛など肉食中心なのでしょう。

参考:http://todo-ran.com/t/kiji/14620

当院は循環器科ですので、脈波速度といわれる動脈硬化の検査を多数行っています。
その検査から血管年齢を調べることができるのですが、すごく実年齢より
若く出る方は魚食中心の人が非常に多いようです。

当院では動脈硬化症や脂質異常症(高脂血症)の方には
積極的にEPA製剤を服用してもらっていますが、
服用後数年で10歳以上若返った方がたくさんいらっしゃいます。
本当にびっくりすることも多いです。

EPA・DHA摂取が多いと認知機能も保持されやすいという報告も出ています。
自分でも積極的に青魚を取るようにしていますがEPA製剤で補うことも
するようにしています。

みなさんサバ・イワシ・マグロなど青魚をたくさん摂りましょう。
ちなみに赤身のマグロにはEPAは全然ないようです。霜降り、つまり大トロに
含まれるそうです。お金が続かないので、サバ缶などでレシピを試してはいかがでしょうか。

私はよく玉ねぎとサバ缶のトマトソースパスタを作りますが、かなり体にいい
レシピですので皆さんも試されてはいかがですか?

レシピがありましたので参考までにどうぞ。
http://cookpad.com/recipe/2340786

こちらもおいしいですよ。
http://cookpad.com/recipe/1852678

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