院長ブログ

AICS (がんリスクスクリーニング:AminoIndex® Cancer Screening)

2014-12-03

今回はAICSといわれる癌の発症のリスク検査の話です。

AICS(アミノインデックス  がんリスクスクリーニング:AminoIndex® Cancer Screening)とは
世界初となる血液中の各種アミノ酸濃度の約20種類から健康状態や疾病の可能性を
明らかにする技術であるアミノインデックスを活用し、
健康な人と、がんである人のアミノ酸濃度のバランスの違いを
統計的に解析することで、がんに罹患しているリスク(可能性)を
評価する解析のサービスのことです。
がんに罹患している確率を、AICS値(0.0~10.0)を、A(0から5.0未満)
B(5.0以上8.0未満)、C(8.0以上)の3段階で示すのですが
A→B→Cの順でがんのリスクが高くなるといわれています。

最大のメリットとしては
わずか5mlの採血のみで癌のリスクを測定する事が出来ることです。

ある程度進行しないと変化が見られない、腫瘍マーカー検査と違って
早期がんに対する感度が高く、がんの組織型にも左右されないといわれています。
アミノインデックスは少量の血液で短時間に、健康状態を調べられるというメリットがあり
がん以外の疾患についても研究が進んでおり、今後のさらなる発展が期待されているのです。

当院では検査可能となってからすでに数十例の検査を行っており、
実際に検査を行うことで早期発見に繋がった症例もあります。
人間ドックなどは、なかなか忙しくて行けない方などはお勧めの検査といえるでしょう。

もし興味のある方は下記にアクセスしていただくか、当院に直接お尋ねください。

http://www.aa-pri.jp/c00/c01/

テレビ取材受けました

2014-11-08

先日、KTS様から当院にて開始しているシダトレン、舌下免疫療法の取材を受けました。
放送の中で治療について説明いたしました。

よろしければご覧ください。
今のところ11/11(火)のKTSのスーパーニュースで18:15分頃からの放送予定のようです。

グラッシュビスタ まつ毛が伸びる?

2014-10-25

グラッシュビスタ外用液剤という外用液が発売になるそうです。
承認された効能・効果は睫毛貧毛症、要はまつ毛を伸ばすと言う訳です。
有効成分はビマトプロストという薬なのですが
その内容は実は、緑内障治療薬のルミガン点眼液と同じ成分です。
ビマトプロスト(プロスタマイド系薬剤)は国内で
すでにルミガンとして薬価収載、販売されています。
他のプロスタグランジン関連薬とは異なり、
作用機序はプロスタマイド受容体に結合することで
眼圧降下作用を発揮するとのことです。

もともとはルミガン点眼液という緑内障治療薬の副作用だったのです。

まぶた(眼瞼)の多毛、まつ毛が長くなる。
眼圧を下げる緑内障治療薬においては副作用となりますが、
逆にそれを利用すればまつ毛を伸ばす薬ができる?
そこから生まれた薬剤がグラッシュビスタというお薬だとのことです。

グラッシュビスタの作用機序とは?

毛包(毛根を包みこんでいる組織)に作用することで、
毛周期(毛が生える周期)における成長期を延長することで、
毛が長くなったり、太くなり、強くなる作用を発揮します。
また、毛幹数を増やすことで毛の本数を増やす効果もありますが、
数自体を増やすことはできないので、発毛での効果はなく、
あくまでも育毛の効果となるようです。

ビマトプロストは、すでにアメリカではlattiseという名前でまつ毛の
育毛剤として販売されています。

他にケアプロストという商品もあるようです。
添加物までは確認できませんが、ルミガンとの違いは
アプリケーターという、専用のアイブラシが付属する点らしいです。
それ以外はルミガンと同じようなので、
ルミガンを自由診療で綿棒にて使用するケースもあるようです。

グラッシュビスタの 重大な副作用は
虹彩色素沈着(12.38%)、その他の副作用は頻度不明:ぶどう膜炎、黄斑浮腫
5%以上:結膜充血、眼そう痒症、眼瞼色素沈着、角膜びらん
1~5%未満:結膜炎、結膜浮腫、結膜出血、眼瞼浮腫、眼瞼紅斑、眼瞼そう痒症、
眼瞼障害、眼脂、点状角膜炎、眼刺激、霧視、眼の異常感(違和感、べとつき感等)、
くぼんだ眼 なのだそうです。

グラッシュビスタの販売と価格が気になるところですが、

睫毛貧毛症に対する初の治療薬と言う事で、
今まで使いたくても使えなかった人には嬉しい知らせだと思います。

しかし残念ながら睫毛貧毛症という適応では
治療薬として認められるのは難しく、自由診療になるようです。

現段階で卸業者の話を聞く限りは患者様が購入できる価格は
2万円前後ではないかと聞いています。

いずれにしろ、病気ではないとしてもいろいろな分野で治療薬が出てくるのは
悪いことではないように思います。

http://vst-beauty.jp/glashvista/consumer/pc/

http://www.matsugeclinic.com/

EPA 鹿児島の事情

2014-10-23

最近は温暖な日が続きますね。

最近メタボ、いわゆるメタボリック症候群の話を聞くと思います。
鹿児島市も特定健診を行っています。メタボはなぜ問題になるのでしょうか?

今回は鹿児島とEPA摂取について考えてみました。
EPAとは「エイコサペンタエン酸」の略称です。
いわし・さば・あじなどの青魚に多く含まれるn-3系脂肪酸のひとつです。
EPAが脚光を浴びるようになったのは、1960年代にデンマークのダイアベルグ博士らが行った、
デンマーク自治領であるグリーンランドのイヌイットの人々
を対象に行った疫学調査がきっかけです。
この調査では、n-3系脂肪酸の摂取量が多いイヌイットには、
心疾患がほとんど認められませんでした。
このことからEPAなどのn-3系脂肪酸が動脈硬化を予防すると考えられています。

現在は動脈硬化症、高脂血症などの保健病名で
EPA製剤を投与することも可能となっています。

ところで鹿児島県は脳卒中が多い県なのをご存知でしょうか?
47都道府県で5位以内に入ったこともあります。
これはなぜなのか自分なりに考えてきましたが、実は
こんなデータがあります。

鹿児島は海に囲まれているため、結構魚介摂取が多いように思いがちですが
実は全国でも3番目に摂取が少ない県なのです。
2010年の総務省の家計調査から魚介類消費量ランキングでは
鹿児島県民の年間摂取量は37,550グラムで45位でさらに下には
熊本県、最下位は沖縄県でした。ちなみに1位の青森県の半分以下の摂取量のようです。
沖縄県が長寿県のランキングで大幅に落ち込んでしまってきているのは
一説にはこの食生活にあるのではとも言われています。

鹿児島県は畜産県なので豚・牛など肉食中心なのでしょう。

参考:http://todo-ran.com/t/kiji/14620

当院は循環器科ですので、脈波速度といわれる動脈硬化の検査を多数行っています。
その検査から血管年齢を調べることができるのですが、すごく実年齢より
若く出る方は魚食中心の人が非常に多いようです。

当院では動脈硬化症や脂質異常症(高脂血症)の方には
積極的にEPA製剤を服用してもらっていますが、
服用後数年で10歳以上若返った方がたくさんいらっしゃいます。
本当にびっくりすることも多いです。

EPA・DHA摂取が多いと認知機能も保持されやすいという報告も出ています。
自分でも積極的に青魚を取るようにしていますがEPA製剤で補うことも
するようにしています。

みなさんサバ・イワシ・マグロなど青魚をたくさん摂りましょう。
ちなみに赤身のマグロにはEPAは全然ないようです。霜降り、つまり大トロに
含まれるそうです。お金が続かないので、サバ缶などでレシピを試してはいかがでしょうか。

私はよく玉ねぎとサバ缶のトマトソースパスタを作りますが、かなり体にいい
レシピですので皆さんも試されてはいかがですか?

レシピがありましたので参考までにどうぞ。
http://cookpad.com/recipe/2340786

こちらもおいしいですよ。
http://cookpad.com/recipe/1852678

リクシアナ勉強会

2014-10-22

本日は新規抗凝固薬のリクシアナというお薬の院内勉強会でした。

ワーファリンという抗凝固薬は古くからあり
心房細動という不整脈や血栓症の治療に用いられてきました。
服用されている方はご存知だと思いますが、
この薬を服用していると納豆が食べられなくなったり
食事制限が加わります。
納豆などに多く含まれるビタミンKがワーファリンの効果を
減弱させてしまうのです。

しかし数年前より、新しく納豆を食べたりと食事制限のいらない
新しい抗凝固薬が登場してきました。
現在、プラザキサ、イグザレルト、エリキュースが
非弁膜症性心房細動という疾患に適応を取っており、
今回あらたにリクシアナという薬剤も同疾患に適応を
取得しました。
しかしこの薬剤は静脈血栓症にも、唯一適応を取得しています。
もともとこの薬剤は整形外科など血栓をつくりやすい
手術の前などに予防的に投与することのできる薬剤でした。
今後は静脈血栓にも適応を取ったことでこれまで
ワーファリンしか使用できなかったため、
あらたに治療の選択肢が広がったことになります。

しかしワーファリンと新しい抗凝固薬には一長一短があります。
新しいお薬は薬価が高いため患者様の負担が増えるという欠点があります。
しかし食事制限はなくなり、毎回血液で薬の効き具合を確認する
必要がなくなります。

当院ではすべての抗凝固薬を採用いたしておりますので
患者様に十分な説明の元、新しいお薬かワーファリンかを
納得して選択してもらうように心がけています。

これから服用する方だけでなく、例えばワーファリン服用中の方など
聞いてみたいことがあればいつでもご相談ください。

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