高血圧ガイドライン 2019

2019-06-26

日本高血圧学会は、5年ぶりに改訂となる「高血圧治療ガイドライン2019)」を発表しました。

新しいガイドラインで示された高血圧の基準値は従来通り、
診察室血圧が140/90mmHgで、家庭血圧が135/85mmHgとなっています。
正常高値血圧(120~129/80mmHg未満)以上のすべての者は、生活習慣の修正が必要で、
高リスクの高値血圧および高血圧(140/90mmHg以上)では、生活習慣の修正を積極的に行い、
必要に応じて降圧薬治療を開始することが推奨されました。
(いずれも診察室血圧)

降圧目標は、診察室血圧が130/80mmHgで、家庭血圧が125/75mmHgとなっています。
糖尿病患者、腎臓病患者(蛋白尿陽性)、抗血栓薬服用中の患者などの降圧目標も、
従来通り130/80mmHg未満(家庭血圧は125/75mmHg未満)になりました。
ただし、75歳以上の降圧目標は140/90mmHg未満とより強化され、
さらに併存疾患などによって降圧目標が130/80mmHg未満とされる場合、
75歳以上でも忍容性があれば個別に判断して
130/80mmHg未満への降圧を目指すこととなっています。

「NIPPON DATA 2010」などの調査によると、日本の高血圧有病者数は
4,300万人に上るといわれますが、うち57%(2,450万人)しか治療を受けていないとされます。
さらに、治療を受けている患者の50%(1,200万人)しか
血圧が基準である140/90mmHg未満にコントロールされていないとされています。
高血圧対策を実効を上げるために、われわれ医療機関(かかりつけ医、看護師など)、
保健師、管理栄養士、薬剤師、地域の行政機関、地域の産業界などが、
密接に連携・協働する必要があるのです。
地域での高血圧診療でもっとも重要なのは、患者さん・家族と医療チームが十分な
パートナーシップを築き、降圧目標に到達するための具体的な治療計画を設定し
共有することだといわれています。

とにかく塩分摂取制限は基本中の基本です。
当院では高血圧患者さんには食事指導を徹底して行っておりますが、
食事・運動療法で血圧コントロール困難な患者さんには
薬物治療を納得して行うようこれからも心がけていきたいと思います。

なんでもお気軽にご相談ください。

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