糖尿病と循環器疾患

2015-03-20

すっかり春めいてきましたね。
ただ、まだたまにインフルエンザの患者さんが散見されます。
感染症対策は引き続き行いましょう。

先日は内科医会の学術講演会に出席してきました。
最初の症例報告では、出水総合医療センターの楠元孝明先生が
循環器医から見た食後血糖の重要性という演題で発表されました。
循環器疾患、なかでも狭心症などの虚血性疾患は、糖尿病が
大きなリスク因子となりますが、食後血糖が高いと
血管内皮機能の低下を来すという報告でした。

最近はEndo-PATやFMDといわれる内皮機能の検査が
徐々に臨床の場に導入されつつあります。
動脈の血管内皮機能と血糖変動の関係は、虚血性心疾患や
脳卒中などの疾患の最近のトピックスでもあります。
当院では、アンチエイジングの観点などから、早期に内皮機能検査として注目し、
導入を検討していましたが、今回医療保険での検査が可能になったこともあり
最新機器の導入をあらためて検討しています。

ちなみに、糖尿病患者さんでなくとも採血でのヘモグロビンA1cという指標は、
過去1-2か月の血糖コントロールを反映するというのことはご存知の方も多いと思います。

1.5AGという、ごく最近の血糖コントロールの指標をご存知ですか?
もともとは、過去数日間の血糖コントロールの指標として用いられてきました。
しかし最近では、1日の血糖値のばらつき、
すなわち、血糖の日内変動幅をある程度予測できることが
可能であるということを、学会や講演会などの場などで
ディスカッションされろことが多くなってきています。

たとえば、HbA1cの数値は同じでも、1日の血糖の変動幅が小さいほど
動脈硬化疾患(狭心症、心筋梗塞の予防など)
については予防としては質の高い治療ではないかということがいわれています。

当院でも、薬剤の選択や効果の判定のためなどに時に1.5AGの測定を行っています。
もちろん一番重要なのはHbA1cでのコントロール指標です。

当院では、薬剤変更時などには、1.5AGも測定を行うなど
質の高い糖尿病治療を行い、循環器疾患の代表である
虚血性心疾患、脳卒中などの動脈硬化性疾患のリスクを、
少しでも減らしていけるようにこれからもますます研鑽、
努力していく所存です。

また、メインの特別講演では、
東邦大の弘世貴久教授の食後高血糖のお話でしたが、
食後高血糖の重要性を述べておられました。
当院でも、当初から、採血をする際、
食後高血糖を見逃さないようにと、
食前、食後とあらゆる時点での採血を行ってきました。
どのような食事の内容での後の採血であるかなど、
その患者様に詳しく問診することで、患者様の
オーダーメイドとなれるような治療を心掛けるように努力しています。

当院では、院内にて迅速に随時血糖、HbA1cを測定し、その場で詳しい治療方針などの
説明を行っていますので血糖値が気になる方、家族歴があったりと、
糖尿病や境界型糖尿病などが気になる方など、幅広く対応いたしますので
お気軽に当院にお問い合わせください。

ちなみに1.5AGについてはこちらを参考にされてはいかがでしょうか。
http://medical-checkup.info/article/42306096.html

 

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