深部静脈血栓症(DVT)

2015-03-28

先日は鹿児島医療センターで行われた
第14回城山循環器カンファレンスに出席してきました。
三重大学循環器腎臓内科学の客員教授である
中村真潮先生の静脈血栓症の新しい治療というタイトルがメインの
講演でした。

ワーファリンという抗凝固薬は古くからありますが、以前当院ブログでも
述べさせていただきましたが、数年前より新しい抗凝固薬が登場してきました。
現在、プラザキサ、イグザレルト、エリキュースが
非弁膜症性心房細動という疾患に適応症を取っており、
最近あらたにリクシアナという薬剤も同疾患に適応を取得しました。

深部静脈血栓症は下腿や大腿などの深部静脈に血栓ができる
病気で、下肢に腫脹が認められる場合に血液検査や、
静脈エコーを行うことで診断が確定します。
放置していると、肺動脈血栓塞栓症という、場合により死に至る
疾患を発症することがあるため、抗凝固療法などを行い
血栓を溶解したり、再発予防を行うのです。

講演会では、新しい抗凝固薬による今後の治療について
わかりやすくお話をされました。
リクシアナという抗凝固薬はワーファリンと比較した
Hokusai-VTE試験という多施設、二重盲検試験にて
ワーファリンと同等かそれ以上の血栓予防効果を認め、
且つ重篤な出血性合併症は少ない傾向にあったことが示されました。
ワーファリンは肺血栓で入院し、静脈血栓を認めた際に
ヘパリンという抗凝固薬の点滴と併用して導入し、PT-INRという
指標にて細かく調整する必要性がありましたが、リクシアナが
登場したことにより、患者さんの精神的、肉体的負担を軽減することが
できるのです。
今後は他の抗凝固薬も適応取得予定のようですのでさらに
選択肢が広がることになります。

当院ではすべての抗凝固薬を採用いたしておりますので
患者様に十分な説明の元、新しい抗凝固薬かワーファリンかを
納得して選択してもらうようにしています。
また、むくみ防止の治療用ストッキングなども取り扱っています。

下肢のむくみがある方は一度、循環器科を受診することを
お勧めします。

厚生労働省のページも参考にされてください。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/hoken-sidou/disaster_2.html

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