新しい睡眠導入剤 ベルソムラ

2014-10-21

先日はファンであるソフトバンクホークスの日本シリーズ進出が決定し
すごくほっとしています。
日本シリーズは阪神とは2003年以来となり、今から
楽しみでしょうがないところです。

ところで、2014年9月26日に、不眠症治療薬であるスボレキサントという成分である
(ベルソムラ錠15mg、20mg) の製造販売が承認されました。
適応は不眠症で、1日1回20mg、高齢者には1日1回15mgを
就寝直前に経口投与の用法となります。

不眠症は、日常の生活の質を低下させうつ病の危険因子であることが多く知れれています。
また、不眠症患者は健常人と比べて糖尿病や高血圧の有病率が高いことが報告されていて、
これらの発症を助長する危険因子としても注目されているのです。
日本では、成人の3人に1人、寝つきが悪い、睡眠中に何度も目が覚める
など何らかの不眠症状を有しているといわれているのです。

現在、不眠治療の中心となっているのは薬物療法です。
現在使用される睡眠薬としては、ペントバルビタール(ラボナ)などの
バルビツール酸系の強い睡眠薬から、
忍容性の高いトリアゾラム(ハルシオン等)などのベンゾジアゼピン系、
ゾルピデム(マイスリー等)などの非ベンゾジアゼピン系、
ラメルテオン(ロゼレム)のメラトニン受容体作動系等が中心です。

しかし睡眠薬の処方頻度が高まっている中で、高い治療効果はあるものの、
一部の患者では長期服用時の依存(耐性、離脱症状、高用量投与、多剤併用)
や乱用(過量服用など)が大きな社会問題となっているのも事実です。

スボレキサント(ベルソムラ)は、今までの睡眠薬とは大きく異なる、
まったく新しい作用機序の薬剤なのです。

日本人が発見した、覚醒を維持する神経伝達物質である
オレキシンの受容体への結合をブロックすることで、
過剰な覚醒状態を抑制し、脳を覚醒状態から睡眠状態へと
移行させるという生理的なプロセスをもたらす
世界初のオレキシン受容体拮抗薬なのです。

第3相国際共同試験(対象:日本人を含む原発性不眠症患者)では、
スボレキサント(ベルソムラ)の3カ月間就寝前投与により、
睡眠維持効果および入眠効果が認められています。
さらに、6カ月間投与における安全性および忍容性に関しても概ね良好であったとのことです。
海外では、2014年8月に米国で承認されております。

第3相国際共同試験では、20.9%に副作用が認められています。
主な副作用は傾眠(4.7%)、頭痛(3.9%)、疲労(2.4%)だったとことです。
なお、食後および食直後の服用では、効果発現が遅れることとのことだそうです。

当院でもたくさんの不眠症の患者さんがいらっしゃいますが
こういう副作用の少ない新しい治療薬は積極的に導入しようと
考えています。

不眠症治療でもしお悩みの方などいらしましたらお気軽に
お問い合わせくださいね。

また下記サイトも参考にどうぞ。

http://www.kaimin-japan.jp/

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