高尿酸血症と動脈硬化

2015-04-03

先日は高尿酸血症についての講演会に参加いたしました。
当院でも行っている鹿児島市の特定健診は、メタボの予防、すなわち高血圧、糖尿病、
脂質異常症(高脂血症)に加えて、昨年度より尿酸値が追加されました。
これはなぜかといいますと、尿酸といえば、痛風発作や、結石の
ことを考えがちだと思います。
しかし、最近の研究で尿酸値が高いと、血管の内皮機能が低下する
すなわち、循環器疾患の中心である動脈硬化性疾患の引き金になるのです。

尿酸値の正常値は7.0mg/dl以下となっています。
もともと女性には痛風が少ないといわれています。しかし最近の研究では、
女性は7.0mg/dl以下でも、高血圧、糖尿病、脂質異常などの
生活習慣病が増加することがわかってきたのです。

男性は肥満に尿酸高値を合併することが多いのですが
女性は肥満と尿酸値は関係ないといわれています。
しかし女性は尿酸 5.0mg/dl以上でも、慢性腎臓病のリスクが上がると
言われており、また、他の生活習慣病を持っていると、なんと
腎臓病発症のリスクは9倍に跳ね上がるといわれています。

尿酸値が1mg/dl上昇すると、総コレステロール20mg/dl上昇、
血圧10mmHg上昇するリスクに相当します。
また、死亡率は12%上昇、高血圧発症は13%、糖尿病リスクは17%上昇し、
eGFR低下、すなわち腎機能の低下は40%上昇するといわれています。
ですから女性こそ尿酸値に留意する必要があるのです。

現在、フェブキソスタットという、新しい尿酸治療薬が使用可能となっています。
同薬が登場してから、高尿酸血症の治療の幅が広がりました。

当院では、循環器疾患と関わりの深い
高尿酸血症についても積極的に検査、治療を行いますので
何でもお気軽にお問い合わせください。

http://243sageyo.com/risk/others/

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